幼少時のおもひで(小学校1年生)

最近、年をとったせいか、かなり以前幼少時のことをふと思い出す。

そこで、ぴかぴかの小学1年生おしっこおもらし事件を記録しておきたい。

入学してまだ2-3日しか経っていないときだと記憶しているが、おそらくまだ入ったばかりで学校の様子も分らず、トイレはひたすら我慢していたのだろう。しかし、下校前のホームルームだったか、まあ夕方あたりでとうとうおしっこの我慢ができなくなり、それでも言い出せず、あああと思う間に漏らしてしまったのだった。椅子の下に徐々に広がっていく水たまり。知らんふりを決め込むも、隣の席の女の子が当然のように見つけてしまう。

「ねえ、あんたの下に水がたまっとるよ?なにそれ?おしっこ?」

とずばずば切り込んでくる。

「ほんなわけないじゃろうが。さっき花瓶を落したんよ。あとで片づけるけえ、だまっとけ」というような、意味のない切り返しをしたような記憶がある。

その女の子はいったん「ほうなんねえ、しかたないねえ」といったん引き下がったその瞬間、「せんせーい、桑田くんがおもらししてますぅ」とでっかい声で言いやがった。このときにたしか人間てこわいと思った。

クラス中が騒然となり、自分はいったん先生にトイレに連れて行かれ、その後下着をかわかしに保健室に連れて行かれた。しばらくしてクラスに戻ったが、その後みんなから何と言われるのか、相当びびっていたおぼえがある。しかし、案に相違して、何も言われなかった。みんなにとってもどう扱ってい良いかわからない事象だったのだろうか。

それにくらべ、同じクラスの折◯君は、次の日だったろうか、クラスで最初におならをしたために、小6に至るまで「へこき」の異名をただ一人背負うことになった。学年があがるたびに「おまえらもへくらいするじゃろうが。おまえもこないだ、したじゃんか。なんでわしだけ、へこきなんじゃ」と毎年汚名返上を図っていたが、みんなは「それはそうじゃが、やっぱりへこきはおまえだけ」と苛烈な判決を下されていた。


なぜ自分は「おもらしくん」と言われず、折◯君が「へこき」と呼ばれ続けたのか。いま思えば、大変な僥倖であったわけだが、タイミングと起きた事柄の衝撃の大きさなどが違ったのだろうか。民衆というものは不思議なものである。もちろん「おもらし」をしたわしは民衆以下であったが。



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