幼少時のおもひで3(幼稚園児)

もっとも幼少期の記憶がどこまでさかのぼれるのか考えていたが、限界は幼稚園の年中さんまでだった。自分の幼稚園では、昼食後はお昼寝の時間で、みんなタオルケットをかぶって寝ていたものだった。ある日の昼寝タイム、先生が誰もいなくなったとき、野◯くんて同級生がむっくと起き上がり、やにわにキツネ顔の?くん(思い出せず)の体にまたがり、突然ぼこぼこに殴り始めたのをぼんやりと見ていた。
?くんはもちろん大泣きし、先生が部屋に飛び込んできた。野◯くんは悪びれることもなく、自分が犯人と申し出た。野◯くんは懲罰として、園の外で一人立たされるの刑を申し渡された。園が終わるころ、ようやく中に入れてもらえたようだが、あとで本人に聞いたら、誰も見てなかったので、一度家に帰ってパンを食べてまた戻ってきたと言っていた。幼稚園児のくせに豪傑じゃのう。

中学になって同じクラスになった野◯くんから「筒井康隆」を教えてもらったために自分の人生観が大きく揺らいだのは、ずいぶん後の話である。