幼少時のおもひで2(幼稚園児)

人生初の絶望感を思い出しました。幼稚園の年長さんのころでした。

自分の通ってた幼稚園はキリスト教系だったので、昼食前後やお帰りのあいさつは、「主よ〜」から始まってやたら長いものでありました。その人生最初の悲劇の日もまたお帰りのあいさつが長く、腸の調子を悪くしていた自分には酷なものがありましたが、終わるまでは我慢できるだろうという変な自信が幼い私にはあったようです。

だが、そいつが命取りだった。
...
ようやくあいさつが終わって、立ち上がった瞬間、堰を切ったそいつが私のパンツの中に呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーんしたのでありました。けなげな私は周囲に気付かれまいと平然と歩き去ろうとしていたのでしたが、悪童どもがその匂いを見逃すはずがない。あっという間に真実を明るみにされ、なぶりものにされました。

それでも・・・それでも優しい先生なら何とかしてくれる。そう信じていた私を、先生は「こっちおいで」と自分の自家用車の後部座席に連れていきました。そして新聞紙を何重にも何重にも敷いた後部座席に私を座らせ、そのまま発車させました。そう、何ら処置されることなく、ただ黙って私の自宅まで護送されたのでした。このときの気持ちをいま思い起こすと、犯罪を犯したあげく護送車で連行されている様そのものでありました。いまだ実際の経験はありませんが、気分だけはこのときにたっぷりと味わいました。うららかな春の夕陽を浴びながら、静かに護送されていく情景がいまでもありありと思い起こされます。